日本医療経営学会アーカイブ

　日本医療経営学会の主要な目的の一つは、医療機関の経営管理が良くなる方向へ導く情報発信である。 　経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏は、「経営に最も必要な物は何ですか」という問いに対し、「１つだけ選ぶのは難しい。２つ選ばせてもらうとすると、宇宙観と人間観である」と答えたそうである。また、経営指導の神様と呼ばれた船井総研創業者である故船井幸雄氏 は、「会社は９９％、経営者で決まる。」とよく言われていた。
　以上をまとめると、医療機関の経営管理を良くするには、経営に関わる人が、正しい人間観（≒リーダーシップや人事管理の能力）と宇宙観（≒世の中の流れを正しく捉え、財務、情報、物品などの管理を適切に遂行する能力）を身に付ければ良いということになる。
　医療経営を学ぶ最善の方法は、優れた経営者の話を聴くことである。更に、多くの経営者の話を聴くことができれば理想的な勉強法と言えよう。急速に普及してきたZoomを用いて学会員 が手軽に医療経営に関する話をいつでもどこでも視聴できるようにすることが、「日本医療経営学会アーカイブ」を立ち上げる趣旨である。
　経営者を含む医療経営に関わる学会員が、医療経営に関する講演を30分ほどのzoomによる録画で作成し、その講演にキーワードを付け、学会が管理するアーカイブにアップする。学会員は視聴したい医療経営に関する講演を タイトルやキーワードを基に選び、手軽に聴けるようになる。日本医療経営学会アーカイブが、日本の医療経営の発展に大きく寄与することを期待したい。

アーカイブ制作委員会　　
高橋　泰（日本医療経営学会　副理事長）