情報通信産業の発展に伴い、社会システムも急速な変容を遂げている。欧米並びにアジア諸国との国際競争の中で、世界のIT立国を目指すための最善策を構築することが望まれる。第三次産業革命に匹敵するとも言われる情報革命において、ITが社会や経済に与える影響は計り知れない。今、世界が注目し始めた電子政府の促進、グローバルIT経営、地域・国家間に跨るデジタル・デバイド、インターネット普及に伴うセキュリティ問題、インターネット・ガバナンス、そして、次世代のユビキタス時代の興隆を担う高度IT人材育成等の課題への取り組みが急務である。
こうした世界のIT潮流の中で、産業の活性化と国際競争力の向上を目指すために、行政、民間においてIT時代の重要な役割を担うキーファクターとしてCIOが脚光を浴びている。“組織において、情報管理、情報システムの統括を含む戦略の立案と執行を主たる任務とする役員であり、変革のリーダー”と定義されるCIOは、1980年代の情報革命以降、その存在価値を少しずつ変容させながらIT分野の成長に一翼を担ってきた。CIOを学術的視点で調査研究を行うことは、世界のIT先進国が抱える情報化に係る諸問題の解決、また現在IT化を促進しつつある途上国にとっても重要である。「国際CIO学会」の設立によって、IT時代における現象・原因・影響などの一連の過程ならびに、社会的かつ技術的な関係、制度を研究対象とし、最適解を見出し、IT戦略を中心に組織全体の立場から幅広い知見を活かすことが可能になる。そして、産官学連携に基づく総合的な価値判断ができる戦略的思考や手法を学ぶ学際的な学問の場を提供できる。